70からの循環園芸(Senior circular gardening )

種リサイクル・プロセス


6プロセスで種リサイクルを

”種を蒔き、新芽をポットに移し、成長すればプランターに植え花が咲いたら鑑賞し、やがて種を採る。の繰り返し。種・リサイクル(=実生)をしていると6段階のプロセスがあると思った”

種類 1月2月3月 4月5月6月 7月8月9月 10月11月12月
ペチュニア    













   
ビオラ







  




  ー 索  引 ー


播種
移植(ポット)

定植・育苗
採種

堆肥化

6つの育苗プロセス概要

「採種」:次の年の種用として、良さそうな種を貯蔵しておく。
「堆肥化」:採種後の株を捨てずに、用土の改良堆肥にする。
「播種」:発芽適季になれば播種容器にタネを蒔く。
「移植」:播種容器に発芽した苗を切り分けてポットに自立させる。
「定植」:花壇や鉢に育ったポット苗を本植えする。
「育苗」:十分に枝を伸ばし、葉を茂らせ、花を咲かせる。

ペチュニアの堆肥をビオラに使う

モデルケースとしてペチュニアとビオラの関係をピックアップしてみた。
ペチュニアは上手に育てれば冬前まで咲かせることができるが、殆どの場合盛夏を過ごせないでいる。 大きく、美しい色合いの花株だけが手厚く育苗され、採種に供せられる。採種の後の苗は勿論堆肥にされる。

ペチュニアの様に夏苗の堆肥は秋苗の定植時に使われる。主として元肥に使用している。
ビオラの定植時にペチュニアの堆肥を用いる。

勿論、逆の場合もある。ビオラの堆肥をペチュニアの定植で使用する。


錯綜するプロセス

必ずしも前表の様には行かず、普通は錯綜する。例えば定植後ペチュニアの内いくつかの苗は中心的な部分のみが徒長してくる。 徒長部分を半分位に切り詰めて分岐を促すことがある。切り詰めた先端部分は早期堆肥化に移動することとなる。自然や自分のミスによりプロセス通りに進まないことがある。そのために行うのが諸調整(チェンジング)である。


堆肥化が決め手、温暖化阻止

一つの植物での採種からのプロセスよりも、他の植物へのリサイクルプロセスとして重要な役割を果たすのが堆肥化であることが分かる

タネからタネへ

子供の頃を思い出す。5月になると母親から、「やすお、もうすぐ八十八夜よ!」と声を掛けられる。私は大事にしていた紙袋を取り出してくる。「アサガオやね!」と言いながら掌にアサガオのタネを数粒広げる。母親の播種期は大きく2期に分かれていた、八十八夜ともう一つ、”桜の咲く頃”だった。

タネのない世界へ?

実生派の私にとって、街に出てタネを採取するのが楽しみだった。ところがだんだん足が向かなくなった。花壇の花が咲いても実が付いていないのだった。近くの園芸店頭からペチュニアの種がなくなった。”苗ならあります”と店員は平然と言う。これでは、早晩アサガオまでクローン苗になりそうだ。

クローンの世界へ?

サフィニアなど、クローン苗の発展は刺し芽技術の発展をもたらした。10本、20本の刺し芽が簡単にできるのだからか、価格が良い。”自然界を神の手から奪って”等と偉そうなことは言えないが、良いものを、安く売ってほしい。

組織培養から細胞操作へ?

数十年前、ある植物研究所で見たのは、植物の切片らしいのをピンセットでつまんで、試験管の中の綿のような物の上に置いていたことを覚えている。これは植物の組織片を植え付けてクローンを作っている研究だと思った。現在はもっと進んで、細胞の部分を入れ替えて、年中咲いたり、色を変更したりしたクローン苗が出来るに違いない。