⑥ 育 苗

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散水だけで済ませたい育苗

定植後2,3週間から花期までを育苗期間としたい。出来れば散水程度で済ませたいが時々具合の悪いことが起こる。

中村さんから”いただいた種で桜草が咲きました
(中村さんから送っていただいた桜草)

日照

太陽は常に動いていることを忘れ、苗に重大な影響を与えることがある。


水分補給

水分補給にはいくつかの落とし穴がある。


病気

カビを含めて、どんな病気にかかるのか。かかればどうするか。


害虫

ナメクジ、青虫、毛虫など害虫から苗をどう守るか。


草取り

古土を使えばその他の雑草類が生えてくる。除草はタイミングが重要。


開花

きれいな花が咲く、開花期を長く続けさせるにはどうするか。採種との矛盾はないか。


もっと

葉や花は小さくなってきて追肥をする。最高のサイズまで成長したら切り詰める。開花株の一部を切って挿し木をする。一番種で再播種をする。”もっと”という欲求で行う。

距離感

定植場所の環境はどうか。日照の度合い、雨水の当たり具合。冬の寒風を受けるかどうか、等のほかに、「距離」又は「距離感」を加えて欲しい。いつも、その場所のプランターの花を枯らせてしまう。考えてみると、その場所は他のプランターグループから離れており、水やりを忘れがちになっていたりする。

大水で痛む

南側の犬走で、プランターを置くには日照では最も良い場所なのに、花苗の育ちが悪い。土砂降りの大雨の際に分かった。竪樋に入りきれない雨水がそこからオーバーフローして落ちてきていた。そのプランターが水没していた。

⑥育苗l 日 照

少な過ぎても多過ぎても困る

日当たりは住宅地では真夏以外は限界がある。そこからの工夫である。

冬はお日様を求めて

(南側に日当たりを求めてプランターを並べる)

冬場は太陽が低く、隣家の影が長い。プランターやハンギングの鉢を日光に合わせて後退する。 反対に、春になると毎日日影が短くなるため、徐々に前に出してゆく。


夏は日よけ

プランター等容器で育苗していると、真夏の日射は用土を乾燥させてしまう。 水やりが大変。日差しを避けるための工夫をする。1/2の寒冷沙(日おおい)を上空に張るか、葦を立てかけたり、 家の影に置いたりして日射量を調節する。


日差しは朝日で

西向きの日差しは夕日が中心で、どちらかというと赤外線が多く、紫外線が少ないと聞いている。 植物には、むしろ朝日の紫外線を当てると生育がよいと聞いたことがあるので、 選べる場合は朝日を当てるようにしている。


花後の苗を日陰に置かない

花が盛りを過ぎても、リサイクル栽培のために、採種予定の苗は日陰に置かないで、出来るだけ日当たりをよくしてやり、良い子孫を残すようにしてやる。

日差しの移動

冬の太陽は東南から出て西南に沈む。日差しが低い。 東の隣家と南の隣家との間からの朝日の照射時間が短いだけに貴重である。
冬越しのプランターやハンギング鉢を太陽の照射に合わせて移動する。
住宅地ではやむを得ないが、工夫はする。

採種鉢にも光を風を

花期が済んだ苗鉢は表の第一線を退いて、横手の方に回して置く。そこでは日当たりも水も与えられる。採種するためである。 家内は誤解して、使用済みと思い、全く日が当たらないとか、風通しの悪い片隅などに置いていることがあるので、油断がならない。そっと置き換える。

⑥育苗l 水やり

水遣りは腰水も

水遣りは散水しかやらない人が多い。散水の後そっと鉢から苗土を持ち上げてみると分かる。一部分しか水が通っていないことが。


鉢での育苗には腰水で水遣りを

ペチュニアに腰水
(枝を切り詰めたペチュニアに腰水)

上から水をかけると、通り道ができる。また、半分くらいしか濡れていない場合が多い。水を入れた金盥に鉢を浸けると均等に水分が浸透してくれる。毛細管現象である。鉢植えの利点はそこからの浸水が出来ることである。

花壇の場合、殆どケアする必要がない。日照りが続いたときと、真夏のみに配慮するだけである。
要はコンテナ育苗の場合の水分補給問題である。


湿りすぎ

春・秋の中間期は湿り過ぎ防止のため、土の表面が乾いてもまだ土の奥は湿っているので1,2日水を控える。 乾く暇もなく水遣りをすると、根腐りをする場合がある。特に高温な時季は腐りやすい。
草花の性質と土の保水性とも関連するが、湿気が淀まないようにする。 高温時の夕刻からの水遣りは湿る時間が長くなり、腐りやすい。 要は草花の気持ちになって、天気を味方につけて慎重に水遣りをする。


乾かしすぎ

乾かしすぎは教えてくれるので、分かりやすい。 なんとなく葉や茎に元気がなくなる。 つまり艶がなくなり、立っていたものが横を向いてくるのでわかる。 明確に分かった段階では乾かしすぎで、乾いているという微細な特徴が見えるか、予期した段階で 水をやるのがコツだと思う。

水分補給と日照、通風

花壇や鉢植えのこの草花は最近は何時間位日が当たっているか知っておく。
地表が乾いて、どのくらい経過しているかを認識しておく。
水やりは大雑把で言うと苗の大きさ(吸水性)と用土の保水力と日照との関係である。更に風通しも関係する。

夏季の湿潤

春苗のマリーゴールドは夏まで咲いて花期を終える。株の上半分をカットして秋以降に備える。他方、リスクヘッジのためマリーゴールドの播種をする。真夏の苗づくりは春、秋に比べて難しい。表土を1,2日乾燥させないと腐らせてしまう。

⑥育苗l 病 気

花苗が病気になる原因は私?

病気は時折発生する。植物の病気もある程度予防ができそうである。つまり多くの場合われわれが原因をつくっているのではないかと思える。

葉や苗を捨てる

カボチャにできた白カビ病
(カボチャの葉にできた白い斑点)

菌によるものかカビによるのかわからないけれど。とにかく侵されていると思える葉をむしり取って捨ててしまう。伝染しないようにとの考えからである。

悪い葉を捨てても再び異なる葉に斑点などが発生するならば、全体に広がっていく傾向にあるので、苗そのものを抜いて捨てることにしている。荒っぽいがやむをえないと思う。


薬による対応に自信がない

例えばパンジーの苗が黒ずんで成長が止まるという病気にかかったりして、何度か病気に対して薬を購入して施したりしたが、努力が足りないのか、効果がない。悔やんでも後の祭りである。結局苗を捨てるのである。


環境を配慮

長い間土を湿らせたままにすることは嫌気性の菌がはびこる元になる。
その植物なりの日航の当たり方が必要なのだ。
風通しの悪い場所に苗を置くと葉にカビの一種が発生したりする。

実は私たちの配慮でかなり予防できるのではないか。

全部を捨てるか一部か

菌かカビかは知らないけれど、毎日のように観察していると、微かな兆候の頃から葉の斑点は分かる。
経過を見守ると、斑点が徐々に鮮やかな模様に変わってくる。

ついに家内が発見する。
これ、おかしいから捨てましょ、である。
苗を捨てましょうというのである。
私は、ちょっと待て、悪い葉だけをとりあえず捨てよう、という。
家内はしぶしぶ了解する。

白カビ病とフェンス

白カビ病は毎年同じ場所で起きる。塀際という位置環境が原因である。つまり、それによる日照と風通しである。その証拠に、下の葉ほど影響を強く受けている。数週間後再度同じ苗を前にして、2人は向き合う。また数枚の葉に斑点ができている。
これはもう捨てて。
家内が有無を言わせないという気迫で言う。言ったとおりでしょという顔をしている。もう逆らえない。

⑥育苗l 害 虫

花苗に虫が寄生する

柔らかい葉や茎を食べるために、蝶や蛾の幼虫やアブラムシなどの昆虫が寄生する。成虫は生まれ育った環境に近い場所で卵を産む。

虫の駆除

(キンギョソウの葉に丸い穴が開いていたので
葉を裏返すと地面に落ちてきた青虫)

古い割り箸が道具である。苗の表面に穴が開いているのを見つけると、その葉葉を裏返してみる。殆どの場合、その葉か近所の葉に幼虫がへばりついている。割り箸でつまんでは投げ捨て、足で踏む。

アブラムシで代表される小さな昆虫はマラソンやスミチオンなどの薬を水に溶かして噴霧して駆除している。


ナメクジは手と薬で

ナメクジは夜行性なので困る。昼間は姿を隠しているが、夜になってから葉を食べにくる。 姿を隠しているのをまず探す。植木鉢の裏側、鉢と土の隙間などに潜んでいる。見つけてかき出す。

見つからなければ、百均の店で、販売している薬で十分である。 紙の上に薬を乗せて苗の横に置いておけば、朝になれば 数匹のナメクジが紙の上に死んでいたことは何回もあった。


予防のため撒く

大事な苗で、過去に虫の被害があったのを覚えていたとき、オルトラン粒剤を定植後の苗の周りに施すことがある。 オルトランが古かったり、買うのを忘れたりで、タイミングが良かったことは少ない。

同じ蝶が育つ

数年前、黒とレンガ色の混じった蝶が大量に発生したことがあった。 そのとき、ポット苗の葉が食い荒らされて弱った。
結局、葉裏にいる黒っぽい幼虫を片端から採っては踏み潰した。
それからは蝶は毎年現れるが少なくなってきている。
もちろん幼虫による被害も少なくなっている。
庭に例の蝶が飛来したとき、止まって卵をうみつけないように、追い払うことにしている。 外部から見ると、私の蝶を追い払う姿は滑稽かもしれない。

蜘蛛の巣が張る場所

始めの頃は気が付かなかったが、何回も同じようなクモの巣を払い続けると、その場所が特別、クモにとって好適な場所であるということを発見する。それと同じように、病虫害の多くはその場所の環境に由来していることが多いと思う。限られた宅地の中で、自宅や近接した隣家、めぐらせた塀など障害のある中での我儘をいさめてくれているのかも知れない。

⑥育苗l 草取り

雑草が生えるのは当然

私たちが育てる草花も元は雑草でたまたま美しい花を咲かせる等で拾い上げられたに過ぎない。従って、折角育てた苗の周りに雑草が生え育つのは当然の事である。よって、多少少なくする方法はあるが、そのタイミングが重要である。

雑草の害

(左の方にハコベの様な草が茂っている)

概して、雑草の方が良く育ち、放っておくと本命の草花よりも高く生い茂り日光が届きにくくなったりする。また、雑草の勢いで横への広がりが制限されてしまったりする。これら、雑草の害は草取りをしてみると分かることである。勿論、肥料も失っていることになる。
冬の寒風の中、生い茂った雑草の中でひっそりと生きている花苗を見ると、風覆いとして雑草が役立っているのかなと思うこともある。


草取りのタイミング

雑草とひとまとめに言うが、凡そ3種類程度は生えている。そのメインらしき草の開花期前には早い目に刈り終えておく必要がある。雑草の花が一面に咲いて気が付き、慌てて雑草を抜いても遅い。その時は一部早い株は種をまきちらしているからである。


爪が汚い

草取りの後の食事時が嫌である。私の指の爪が黒いから嫌がられる。「これが百姓の手じゃ」と言いながら手指を余計に前に突き出す。
雨上がりに、草の根を目がけて指を突っ込みつまみ出す。つまり草取りは根から抜かないといけない。再度の草取りとなってしまう。

草取りをしたくない

草取りをほとんどしなくて済む方法はある。「花の土」等市販の土を使用することである。古土を火にあぶる方法もある。雑草のタネを焼くのである。
但し,その後何処からともなく種は飛散してくるものだから、ある程度は我慢が必要である。と言いながら、やはり面倒である。

⑥育苗l 開 花

開花中のケア

開花前になると、つぼみがいくつかついてくる。この頃からが楽しい。
つぼみが毎日少しずつ大きくなってゆく。どんな花が咲くか、わくわくする。 開花中の世話はいくつかある。


開花初期は花柄摘み

花が咲き終わると、早い目に花柄摘みをする。 エネルギーの消費を抑え、枝葉の成長を促し、次の花の開花に備える。


開花中期は選別

開花中期に差し掛かると、採種目的の苗を選別する。
しっかりと伸びた株であるか。 姿がどうか、立ち性か匍匐性かミックスか。花の色は大きさはどうか、交配による色のダブりはないか。

などを検討し、採種苗にするかを決める。


採種苗は環境に配慮

採種を決めた苗の花柄摘みは終了し、静かにタネの充実を待つ。 水遣り、日当たりには注意を怠らず、必要であれば追い肥もする。

家内が選択を楽しむ

いくつかのコンテナに草花を定植する。
大きく育つにしたがって、苗の姿の優劣がついてくる。
開花し始めると花の色や大きさなどを加味した姿の優劣がついてくる。 この頃になると、家内は模様替えをする。 近隣や訪問者に見える場所に、きれいな花姿の苗を移動する。

選択コンテナ中心の花柄摘み

毎朝、前面に押し出したコンテナの花柄摘みに精を出す。
手入れの行き届いたきれいな花園になる。 私がいくつかのコンテナの花柄摘みを禁止する。 しばらくすると禁止したコンテナは庭の奥の隅に放置されている。 日当たりの悪い場所に置かれていることも多いので、救済することもしばしばである。 家内と私が多少対立するところである。

⑥育苗l もっと

ずっと長く咲かせたい

このタイトルには満足していない。長寿命、延命、など考えたが満足できなかった。要するに英語の”more”である。誰でもある感情で、もっと奇麗に咲かせたい、もっと長く咲かせたいなどのことです。

追肥は肥料切れに

ペチュニアを切り戻し追肥して腰水をしている
ペチュニアを切り戻し追肥して腰水をしている

定植時の土作りで 元肥を施して決まりである。その後は、基本的には肥料を必要としない。しかし、不足すれば追肥が必要なことがある。

開花期が長く、開花初期の花の大きさがだんだん小さくなってきてい、 これからも引き続き咲かせたいときに施す。

追肥は即効性のある化成肥料の粒を一握り、株の周りを掘って埋め込む。


半分に切り詰め

また花枝が長く伸びてきて、本来の高さに達し、こんもりと枝まで茂って咲くとその花株の生涯は終了する。花株の丈の2分の1位のところで切り詰めてもう一度大きく幹・枝から成長させる。殆どの場合追肥をする。再生術の一つである。


挿し木から再出発

ジニアの挿し木
ジニアの挿し木

奇麗に咲いてくれた花を次のシーズンも咲かせたいと願う。花株の枝を切って挿し木にする。枝を切ってきて、花瓶等に切り口を浸け水分を十分含ませる。先端の葉は出来るだけ小さくする。水分たっぷりの土に棒で穴をあけ、挿し木する。明るいh陰に置く。葉が茂ってくれば成功。


再播種で後継苗

春植えの夏花は真夏に最高に咲いて、その後は大事にすれば冬を迎えて終わる。夏花の第1花を播種して後継苗を作る。夏の水不足槍など事情があって枯れた場合のカバーに使用する。

夏花は冬まで

夏に咲く花は普通、冬まで持つ。しかし、夏の気象は厳しいので、油断すると即ダメになる。1回の水やりを欠かすと無残な姿になる。旅行や出張となるとある程度覚悟したが、リタイヤになってからは気が楽になった。

それより大きいよ

この苗いかがですかと近所の奥さんに勧めると、”去年もいただいたわ、プランターに植えて奇麗に咲いたの、咲き終わってそのまま置いていたら、たーくさん芽が出たので拾って育てているの、それより大きいわ、あげましょうか”と言われてまいったことがある。