①採種l TOP

花後熟させる

drying seeds
桜草の種

「①採種」は6段階の”リサイクル栽培のアプローチ”へのスタートである。アプローチを成功させるためには我慢が必要である。花が終わってもじっと我慢である。DNAがしっかりと引き継がれたころにやっと採種する。反対に採種が遅すぎると種保存の摂理で、タネは自然に地面へ落下してしまう。


選択と集中

私は繰り返し繰り返し採種し翌年播種している。少しずつ花の形が劣化しているのを感じる。花の盛りの時点で私は採種株を決める。選択項目は花の色、花の大きさ、株の姿などである。

花を長く咲かせる

私はこのプランターは種を取るので花後も触らないで、と予め家内に断っておく。すると家内は飾る場所を変えてしまう。表の良い場所から日当たりの悪い裏の場所へ引越しである。私は思う”採種用の株でも、程よい環境が必要なのだが”

採種あれこれ

私はこの後、いくつかの花の採種体験を紹介しています。

写真の説明:私は桜草の花後、熟成させて、花枝を切り取り、ビニール袋に入れて、テラスの屋根下にぶら下げている。種が乾燥して自然に落ちるのを待っている。ビニール袋は湿気をあまり逃がさないので、私は時々撹拌して中の空気を乾燥させる。


採種は足で

市のメインストリートの脇や公園の中など公共施設には多くの花壇が設置されている。私は散歩と花の鑑賞と採種の三度楽しんでいる。 4月末頃、市役所の周囲の花壇に手を突っ込んでいると、ガードマンが近づいてきて、何をしているのですかと、声を掛けてきた。彼は一旦不審者ではないかと思った様子だった。ところが、しばらくしてまた近づいてきて、”それはいつ頃蒔くのですか”という質問があり、更に花壇の総植え替えは5月の連休ですよと教えてくれたりした。

ボランティアと競合

早朝に公共の花壇に出かけるとあちこちに比較的高齢女性が何かしている。近寄ってみると花柄を摘んでいる。”私らはボランティアよ”と言う。”私もボランティアや”とは言ったが、あまり居心地がよくないのでそっと立ち去った。しかし、花壇の総植え替えの数週間前からはボランティアが来ないので収穫が出来た。

①採種lペチュニア

超小さな種

ペチュニアの実
ペチュニアの実

私は開花後期になったペチュニアの中で花の色や大きさ、株の形や大きさで種を取る株を選定する。私は、ペチュニアの花が下から順に咲き、花びらが落ちて実が残り、実の色が茶色になれば、実を摘み取る。
私はペチュニアの実を乾かせてから殻を破ると無数の小さな種が出てくる。茶こしでふるうと種だけが得られる。種の中では最も小さい部類に入ると思われる。


ペチュニアのタネ
ペチュニアのタネ

ペチュニアの種は小さい。桜草の種の小ささと変わらない。手前中央の米粒と比較していただくと分かる。手製の耳かきのようなものが200粒のハカリである。無料配布するとき、これ1杯分を希望する人に差し上げたいと思っている。


ペチュニアの花

窓辺のペチュニア

細かいので風に注意

ペチュニアは6月~7月の夏の花。赤やピンクの花を沢山咲かしてくれる。条件さえよければ直径1メートルの大株に咲き乱れる。

ペチュニアは種が小さい。6月から7月には採種し、翌年3月下旬に播種し、4月にポットに移植して5月連休明けに定植している。採種後紙袋に入れて乾かせて押せば無数のたねがでるとは言え、細かい種は袋に入れても軽い。播種時に袋越し風に飛ばしたり、種まき土の上に固まって蒔いたり、外に外して蒔いたりしがちである。

①採種l パンジー

パチン!とはじかれて出る

パンジーの実
パンジーの実

パンジーとビオラは植物としては同種と言われている。日本では、パンジーは大輪、少花、遅咲き。ビオラは小輪、多花、早咲きとされ、およそ区分されている。分岐点は直径が4から5センチである。ビオラは咲き始めの頃は花柄を摘み取れと言われている。株の成長を助長するためである。12月から約半年という長い花期を持っている。パンジーの実が下向きから上向きに変化してきたら採種する。放っておくと真上に向かってパチンとはじいて周囲の地面に放り投げられる。


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パンジーのタネ
パンジーのタネ

紙の袋に入れておけば、パンジーの実は自然に乾燥して種が弾き飛ばされる。夜中の静かなときには弾き飛んで紙袋にあたる音がピチピチと聞こえる。この写真は大きさの比較が出来るようにパンジーの種5粒と米1粒を写した。


パンジーの花

パンジー

採種は”楽”播種は”苦”

採種は4月から5月初めまで、播種は9月、年内に開花させたい。冬から春にかけての花として、パンジーが最もポピュラーな草花だと思う。パンジーのパンは種がはじける音から来ているように思う。

色づき始めた種をつまんで乾燥させれば採種できる。幼苗で厳冬を迎えると枯れてしまう。九月中には発芽させたいが気温が発芽適温まで下がらない。温度を偽装して発芽を促している。

①採種l キンギョソウ

実の上の穴が目印

キンギョソウ
キンギョソウの実

私は初期に咲き出した金魚草の枝は切花などに使う。私は開花期の後半になってからは、金魚草の育種を狙うことになる。花が枯れてゴツゴツとした実ができている。
金魚草の実が茶色になり、上の方に小さな孔が明いてきたら、私はそれを下から順に摘み取る。


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キンギョソウのタネ キンギョソウのタネ

私が実を揉むと殻が破れて直径0.5㎜位の黒い金魚草の種が出てくる。

私の推測であるが、枯れて茎が倒れると、中の種が先端の穴から転がり出るのではないだろうか。私はこの種を播種する今年の秋まで保管する。




金魚草の花

金魚草の花

早い目にタネを採る

金魚草は春の花で金魚の姿に似ているので、この名前がついているようである。金魚草は丈が高く赤白黄色とカラフルで、切花にも多く使われて

金魚草は秋蒔きにする。冬の寒さに耐えるとはいえ、霜には注意する。金魚草を大きめのポットで冬越しする際、背が高く徒長すれば切り詰める。実は十分実らせて摘むが、実を乾燥させて速やかに種を採る。実のままで紙袋に突っ込んでおいて虫に食べられたことがある。


①採種l カンパニュラ

子房が茶色になるのを待つ

カンパニュラ カンパニュラの実

カンパニュラは切り花に適している。切除した枝のすぐ下の分枝に第2次の花が咲く。花柄が枯れて、子房が枝にくっついた状態をしばらく置いておく。子房の外側が茶色く枯れ始めると種が成長したと見てよい。


カンパニュラのタネ
カンパニュラの種

枯れた花柄を揉みほぐすと種が出てくる。 紙袋に入れ冷暗所に保管する。


カンパニュラの花

1年草かも?

カンパニュラは背丈が1m近くに伸び、春に大きな釣鐘型の花を咲かせる。春~6月中に播種し、秋に定植し充分育てて冬越しする。2年草。上の写真は Yさん宅門前花壇を撮影06/05)

2年草の扱いをしているが、1年草の種類もある。過去1回1年草の扱いで9月頃に種を蒔いたことがあったが、冬越しで少し失敗したので、その語は2年に戻した。再度1年草に挑戦したいと思っている。

①採種l サクラソウ

子房が割れて飛び出す頃

サクラソウの実
サクラソウの実

長く咲いた桜草は初夏になると急に元気がなくなる。花びらが散った後に小さな玉(子房)が残っている。玉が割れて、中のタネが地上に散っていく前に、私は手でしごいて回収する。


サクラソウのタネ
サクラソウのタネ

回収された種と米粒とを比較してください。サクラソウのタネはペチュニアと同じくらい小さい種です。来年、また可愛い花を見るために、これを9月の播種時期まで保管する。


サクラソウの花

風が吹いた翌朝

桜草は花枝の周りに小さな花が多く咲き、しかも次々と上に伸ばしていくので花期は1月から4月までと長い。

小さなピンクの花が無数に咲いて美しい。やがて、咲いた順にその小さな花弁が散ってゆく。その後には丸い球のタネが出来ている。タネは緑色をしていたが白っぽくなり、茶色に変色してくる。球が開きかけてくる。夜中に少し風が浮いた早朝、あの種は完全に開いており、空っぽだった。採種する頃合いが大事だ。

①採種l マリーゴールド

咲き終わった花を回収

マリーゴールドの子房
マリーゴールドの子房

マリーゴールドは夏の花壇を明るく元気に飾ってくれる。。 花が咲き終わった頃には花びらの根元の子房が既に大きく膨らんでいる。 私は枯れ始めた花の根元から千切る。枯れた花びらの部分を切り捨てる。子房が手元に残る。子房の色はまだ緑色でも中のタネはは熟している。


マリーゴールドのタネ
マリーごルドのタネ

マリーゴールドは元気な植物である。日当たり良く育てば、充実した子房が得られる。割ってみると、種の半分が黒く色づいて、厚みもある。


マリーゴールドの花

> マリーゴールドの花

予備の育苗

夏の花らしく、鮮やかな橙色で花壇を彩るのは楽しい。赤や黄色も好まれてきた。ジャンボ系は1m近い高さに成長し切花にも適している。

マリーゴールドは菊の香りが強く、仏花に使える。生命力があって、夏の花らしいと思う。一番成りのタネを採種して、8月初旬には種を蒔き9月初旬には定植する。つまり、連作している。苗は20本程度作っている。春苗は真夏に満開を終えた段階で丈の半サイズを切り落とす。真夏の気象の中で何本かは枯らしてしまう。その場合の穴埋め用として、予備の育苗です。

①採種l キンセンカ

枯れたがくから勾玉風の種

キンセンカ
キンセンカの子房

鑑賞したキンセンカの花は、花が終わってもしばらくは引き抜かないで辛抱する。花びらがなくなり、ガクの部分だけが残っている。枯れたガクを揉みほぐすと勾玉風の種が出てくる。


キンセンカのタネ

草花の中では背が高い方だと思う。種の大きさはさまざまである。私は思う、大きい種のほうが発育十分なので発芽率が高いと。


キンセンカの花

キンセンカの花

タネ袋から幼虫

黄色い大きな花のキンセンカは花壇にも切花にも使われる。9月頃に播種し、ポット苗で冬越しして、春先に定植する。

キンセンカの採種をしてひと月位だっただろうか、タネ袋を開けてびっくりした。大きな幼虫が転がり出てきた。タネは全滅だった。其れ以来小さな幼虫も逃さないように注意している。

①採種l スターチス

判然としない種

花そのものがはっきりしない。したがって、花後に枯れてもはっきりしない。写真の必要性を感じない。
スターチスの花が終了して全体が茶色っぽくなった頃に、もぎとり、しばらく袋に入れておき、よく乾燥した頃に、揉んで種を採取する。



スターチスの花柄
スターチスの花柄をほぐした

ただし、種らしい硬いものは存在しないで全体が柔らかいので、ほぐしてみて、適当な大きさにほぐれた物を種とみなしている。


スターチスの花

スターチスの花

似て非なるは

スターチスは枝振りが独特で、近くの喫茶店で、一輪挿しに生けてあったのを覚えている。スターチスは冬の寒さには比較的強いため、霜よけをして春早く咲かせるのもよい。

スターチスと違って、どれが種かはよく見ればわかるが、区分して種だけを取り出すのガ難しいのはジニアのタネである。ジニアのタネは花柄全体の中に点在したままで、保管し、撒ている。

①採種l 採種場

緑の河内長野市で採種

楠ケ丘公園

楠ケ丘地蔵公園の花壇

お地蔵さんを祀っている楠ケ丘公園は桜の名所でもある。弁当持参で花見をしたことがある。球技用のグランドもあり幼児位までは十分遊べる。
一部に花壇があり、愛犬を連れて行って、散歩の休憩の途中で花のタネを失敬した。


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河内長野駅南踏切付近

駅南花壇

河内長野駅の南外れ、石駒の前の花壇はオープンな雰囲気で、花壇の周りの縁が広いため、縁に腰かけてだべる姿をよく見かける。また、2・3人が踏切近くで立ち話をしていることが多い。道の岐路になっているために話が中断できない様子である。人のいる前で、縁に腰かけながら花壇の花のタネを失敬するのである。


河内長野市役所とその周辺

市役所前

広大な花壇が役所の周りにある。日頃の世話はボランティアの人達がしている。 シーズンオフの頃に出かけて種を取らせてもらう。話していると何時頃この花は植え替えられるのかが分かるので、余裕をもって採種できる。


河内長野中学南三叉路花壇

三叉路花壇

交差点の横に花壇が設けられており、そばを通る人の目を楽しませてくれる。花壇の中心に向かう通路があるが、殆ど使用しないで、外縁道を歩いている。私は図々しく中まで入って花柄を摘む。


南花台スーパー・コノミヤ前花壇

コノミヤ前花壇

南花台の中心にスーパーマーケットのコノミヤがある。その周辺には広い土地があり、大きな花壇が据えられている。きっちり管理が行われており四季の草花が楽しませてくれる。春5月中旬位まではパンジー類が中心であり、夏の花に切り替え前に採種に伺っている。


モックル君の街

市のゆるキャラ・モックル君に因んで緑化にお役に立てばと思い、タネや苗を作り提供している。
「おたくさん、種を取っているんやね、これをいつ植えるの?」道を通る人、ガードマン等から聞かれて返事をしている。あの内一人でも実行していただいたらと祈る。

微妙な立場

花を管理しておられる人はどうぞ、どうぞと言ってくださるが、通行人が真剣に「そんなことをしてよいのか!」と食って掛かられたことがあり、こちらの説明と奥さんのとりなしで引き分けたことがあった。
私のしていることは窃盗と見られることもあると解釈している。 花柄を摘んでみんなの役に立てばと思う私がいる反面、市の管理している財産(植物)に損害を与えている、と見る二面性がある。 微妙な立場を意識しながらタネを採種させていただいている。