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定植を待ち徒長した苗(事例)


定植を待つ苗
(定植を待つペチュニアとマリーゴールド)

新苗を育てて本葉が数枚出揃ったところで定植したい。 ところが、前の草花のプロセスが済んでいないので待たせている。

春夏秋冬のシーズンは否応なく進んでいく。各シーズン毎の植栽もプロセスに沿って進行させてゆく。

花壇であれコンテナーであれ、植える場所は一定である。 年間のシーズンという長いスパンでタイミングの一致がうまく行かないことがある。この場合は待つことしかなかった。

以上が「諸調整」の一場面である。


課題解決のための諸調整

色々工面しながら栽培のプロセス中や、プロセスの移行期に「調整機能」が必要になる。季節変動や人為的なミスが絡んだりしながらスムーズにいかない例を取り上げたい。



変化の観察が必要

出来るだけ早く変化を察知すること。葉の色に変化はないか。蕾は出来てきたか。苗の根詰まりはどのくらいか。等々認識不足が貴重な花苗を失う原因となる。基本になるのが観察の目である。

予測が必要

花壇のこの草花はどのくらいの日数で花期を終えるか。花期はいつか。。 苗はどのくらいの日数まで今のポットでもつか根詰まりはしてこないか。穴が空いた葉の数はどんなスピードで増えるか。葉の斑点は広がるか。予測は多くの経験が元になる。


諸調整l 2段播種

播種時機を2回に分ける


2段播種

二段播種

旧苗の採種時期がばらついているため、新苗の定植が遅れる。 新苗の播種をばらつかしていれば生育にばらつきが出て旧苗に対応がしやすいかもしれない。 ところが、播種の期間を広げると生育により多くのばらつきが出る可能性が生ずる、という欠点もある。
季節の移ろいがあるからである。


播種の危険分散

播種に有効な期間はおよそ1ヶ月ぐらいはある。2,3週間程度の期間を空けて再度播くと 2グループの苗が出来る。グループごとに気温その他の環境が変わり、それに伴って害虫や病原菌も変わる。 余得として危険分散になる。

1回目は冒険

1回目の播種は思ったような成果が出ない。播き時を待ちかねて播くと、発芽率が思わしくない。
そのときの気候変動にもよるが、概して失敗する。シーズンには少し早いが、適温に近い日が数日続きそうなので欲を描いて早めに播種するからである。

2回目以降で決まる

2回目の播種は1回目の播種があまり思わしくない状況下で行うので慎重である。
2回目の播種の発芽が始まった頃には1回目の播種の成績が決定的になっている。

1回目の播種をカバーするるため、3回目の播種を行う。 このように、2回の播種のつもりが合計3回になりがちである。


諸調整l 採種調整

採種苗の採種調整


採種待ちのカンパニュラ
(採種待ちをしているカンパニュラ)

採種に際して、多くの苗株の内、次の年度に引き継いで行くものを選択するため、その数は限定的である。一定量の元気そうな綺麗な花を咲かせた苗を採種のために残しておけばよい。
日当たりや水やりを適正に行うと成長が促進されるしたがって花後の種も充実する。コンテナ栽培の場合、より良い環境のために移動が出来るから便利である。


追肥で種の早期充実

これは採種したいと思う苗に追肥をしておく。 追肥は早いほうが良いので、花期中でも施すことである。 追肥は3種混合の化成肥料がよい。


採種苗の移植

次の苗が出来上がってきていてこれ以上待てないという場合、どこか空地を見つけて採種苗を暫定的に移植させることがある。毛細根が張っているので、出来るだけ大きく抉り取って移植する。

採種のしかた

このきれいな花の種はどの様にして採るのか?。
時々質問を受けるが、的確な答えになっているのか、未だに不安である。
その苗が枯れてしまったとき。と言えば簡単だろうが、そんな答えを求めていない。それぞれ異なるのである。

採種の経験で知る

サクラソウは枯れてしまうまでに、咲いた順に下からどんどん風に吹かれて飛んでゆく。パンジーは薄茶色で採種しないと自らパチンとはじいて飛ばしてしまう。カンパニュラは子房が茶色に枯れるまでしっかり結んでいる。
口下手の私にとって、どのあたりでと的確に言えないのは辛い。


諸調整l ポット苗

新苗を更に大きなポットに移植

大きなポットに植えられたマリーゴールド
(一回り大きなポットに植えられたマリーゴールド)

新苗の本葉がそろってきて、定植の時期に来ていても、植える場所には旧苗が採種を待っている。タネの充実が未完成なのである。
新苗の本葉が数枚出揃ってきたということは、ポットの中の根の張りもかなり進行している。このままでは根詰まりで成長が妨げられる。そこで、新苗を一回り大きなポットに移しかえる。


3段階までポット移植

通常、播種箱からの移植は7.5cmポットである。根詰まりしそうなときは一回り大きな9cmポットに移植する。

時にはもう一度10.5cmのポットに移植することがある。

移植する際の埋め土には化成肥料と堆肥を混入させている。

幼苗と育苗不安

一時は多い目に苗を作りポットの苗を親戚、近所、知人、保育園などに配っていた。最近は歳のせいでぐっと減ってきた。
本葉が4,5枚育っており、そろそろ定植適期だと思うのであるが、不安がる人が多い。「育てられるかしら」と言われる。

花を見させて売る

小さな幼苗を小さなポットのままで配ると、不安がる人が多かった。育苗への不安と成長時の株の大きさを想定した定植間隔が分かりにくいとのことでした。確かに市場の花苗は大きく成長して花が咲いている。 そこで、苗を手元で延長して育てて、その間、一回り大きなポットに移植して、かなり成長させてから配布することにした。
ところが、ペチュニアは新芽を摘んで苗の姿を大きく広がらせるチャンスを失ってはいけないので、苗を差し上げたときに植え方や育て方をメモに書いて一緒に配ったりした。



諸調整l 仮定植

欠けた鉢でも良い、定植する

ペチュニア
(定植を待ちぼうけしているペチュニア)

定植する苗が出来上がっているのに採種のリードタイムのために定植できないでおく。というのは残念である。
プランターに3本植えた苗の横に2本仮植えして5本にする、捨てるべく放っておいた欠けた古い器に仮植えする。 また、花壇の片隅を活用して仮植えしておく。 丁度、採種苗の移植の裏返しである。


本定植が気骨が折れる

仮定植が適当な場所で、気軽に出来たが、本定植の時にはかなり気を使う。
元肥を含んだ柔らかい土の中に無数の毛細根が伸びてきている。 出来るだけ、毛細根を傷付けることなく移植するのである。
苗にそれなりの方向性が出来ている場合がある。本定植ではどう意識するかである。

違和感には仕方がない

この仮定植も採種苗の移植も暫定手段なので、目立つ。
実施している本人はそれなりの意図を持っているため、やむを得ないものとして違和感はない。
要はその他の人々、家族などである。リサイクル栽培についての理解があまりない人々である。

暫定措置

小さな私の庭には2人の王が存在する。花期の盛り中にさっさと片付けたり、抜いてゴミ箱行きである。
したがって、仮定植や採種苗の移植はその目的、期間等をよく説明し、理解の下に行わないと失敗になりかねない。あくまでも暫定措置である。


諸調整l 日当たり

日当たり転地


畑の日当たりを待つエンドウ

畑の日あたりを待つエンドウ

野菜はテーマではないですが、あえて紹介します。
この写真は転地育苗をしている莢エンドウの苗である。丈が約30㎝に育ち、定植の時期を迎えているのに定植場所の状況が出来ていないのでもう4か月ぐらい後に1m近くになってからの定植である。


住宅地の宿命

南の隣家と接しているため、半年近く日射に恵まれない場所が出来る。4月下旬ごろにやっと届く。 住宅地で狭い宅地の宿命である。

豆は秋に蒔いて一冬経過後、春に収穫する。陰地では冬の寒さに苗が負け半分位しか育たない。


2倍位のポット、分散して置く

これから数か月後まで、定植地に日当たりが来るまでポットで育てる。 丈は1m近くまで伸びる。定植時には2,3本の分枝が生じている。
途中、枝同士が絡まり合うので、できるだけ分散して(離して)置く。

また、根詰まり対策と耐寒対策のために2倍ぐらいの大きさのポットに植え替えする。 4月中には日当たりの良くなった畑に定植する。

日除けのモロッコ・南瓜

テラスに1m延長させて柵を作った。柵の周りは畑にしていて、秋から春にかけては エンドウ豆、夏からはカボチャを植えている。
いずれも、柵に伝って育つつる性である。

春植えの莢豆としてモロッコも育てる。エンドウ豆の間に植える。 モロッコは生育が早く、大きなまめに育ち、背丈はエンドウ豆の1.5倍位までに伸び、約2mの高さの横桟にまではびこる。 実は大きくやわらかで、収穫量もすぐれている。

昨今、高さを敬遠

ところが、冬近くに高くまで伸びて枯れたつるを脚立に乗って切り捨てるのが80才を超える昨今苦になっている。 実を収穫するのは苦にならないが、張り巡ったツルの削除となると、面倒なものである。今年は2年分のツルを掃除しなければならない、が。


 
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