⑤ 定 植

⑤定植l トップ

成長を楽しむ定植

ペチュニアを定植
(ペチュニアを定植したところ)

数枚の本葉が出たところで最後の生育場所に植え、苗の成長を楽しむ。枝が伸び、葉が茂っていくさまを毎日のように眺め、変化を観察する。
やがて蕾が付き、膨らんで花が咲くのを鑑賞する。水をやり、日照に配慮し、病虫害にも対策する。採種するところまではいかなくても、草花のほぼ一生を共に過ごすということになる。


花を楽しむ定植

花の盛りだけを楽しむ人。ほとんど満開の花を定植する。花の盛りを過ぎるとさっさと引き抜いてしまう。そして、また次の花を植える。
幼い苗から育て上げ、花期は花柄を摘み追肥をしてたっぷり鑑賞するタイプ、

庭の場所によっては多少やり方を変える必要があるかもしれないが、定植の傾向として大きく二通りある。管理のポリシーによって、定植のやり方も違ってくる。

遅い定植は成長阻害

店先にずらりと並んだ草花の苗、もう花がかなり咲いている。
ああ、かわいそうにもっと早くから定植してやったら、大きな株に育って見事な花が見れたのにと思う。既に根詰まりがかなり進んでいるに違いないのだ。根の成長阻害は即ち地上の草木の成長阻害である。
かといって、移植育苗期間を経ずに定植するにはリスクが大きい。幼い苗は雨や風や病気などに弱い。花の色、形が分かり、苗の成長も想像でき、リスクを避けるのである。

成長サイズに応じた間隔で

余った苗をお分けしている。団地内を散歩すると私の作品にお目にかかる。懐かしい。しかし、多くの場合、鉢の大きさに対して詰め込み過ぎている。確かに、満載で山の様に咲き誇るのは奇麗かもしれないが、個別の苗が精いっぱい咲いて丁度良い感じで収まるのが良いと思えるのであるが?

⑤定植l 時 季

本葉数枚で定植の時季?

ペチュニアの苗
(ポットから取り出したペチュニアの苗)

数枚の本葉が出たところでポットから取り出してみると、かなり根が巻きついている。この段階で定植すると、根に負荷がかからず、むしろ肥料その他有効要素が加算されて、苗の成長スピードが増す。

即ち枝が伸び、葉がどんどん茂ってくる開花もスピーディである。したがって、開花期を長く楽しめることになる。


開花苗で定植

約1ヶ月ぐらいは定植を遅らせ、開花寸前で定植する場合、ポット生活が長く、根詰まり状態になっている。水分も、栄養分も途絶えがちである。成長しろというほうが、無理である。早期定植と比べて、成長はかなり遅れてくる。花を愛でる期間も短くなってくる。このような植物のタネ収集ははかどらない。


写真付きの幼い苗歓迎

店頭で、幼い苗に花の色・姿を写真を貼り付けているのがある。購入者は咲き始めている苗よりも育てる苦労があるかもしれないが、その育てる過程が楽しい。何よりも良いのは、早期定植で苗に根詰まりのストレスを避けられることである。

ゆっくりでいいよ

ペチュニアでも何でも、娘の家に届けたり、ご近所に配る苗は咲き出す寸前である。
「みんな忙しいの!あまり世話ができないから、途中で枯らせてしまう。ゆっくりでもよいから、手間が要らないように開花寸前にして」というのが家内の弁である。

より大きいポットに仮定植?

夏季寸前まで待たずに早い目に定植をすると、ポットでのストレスが解放されて成長が早いので、結局花期を早く迎えられ、長く花の鑑賞が出来る。結局、定植期に、より大きなポットに仮定植させ、ストレスを開放することになる。

⑤定植l 場 所

定植場所は花壇が最適

花に合った場所なら花壇が最適である。容器に植えると、根張りや水分の限界ストレスになって、本来の姿に育ちにくい。

花壇には幅と奥行きがあるため、花壇に定植する場合、寄せ植えになることが多い。その場合、花壇にどのような絵を描くかをあらかじめ考える必要がある。時間の経過とともに葉や花の色づき方がどのように変化していくかを予測する。手前が低く、奥が高くなるように植栽を計画する。

動かせない場所なので、草花を咲かせる期間を調整するためには、苗の成熟度も考慮して、開花し始めている苗を植えることもある。


容器に定植

ペチュニア釣り鉢に定植
(ペチュニアをフェンスの吊り下げ鉢に定植)

植物にとってはストレスかも知れないが、鉢やプランター植えの方がやりやすい。花苗の成長開花した姿を見込み容器とのバランスを考え、一種類、または寄せ植えなどをすればよいから。

狭い庭にはその容器を配置するアレンジメントですませる。アレンジのためには、できるだけ容器の互換性ができるほうがよい。面倒なので使用する容器の中心は65型プランターを標準にしている。


ライフを考え苗数・元肥量を決める

春に咲かせてさらに秋にも咲かせる計画のときは夏を過ごすときの高温・日照による乾燥を考慮して、定植密度や元肥量を計算して定植する。とはいうものの、何回かの経験が必要。何回も誤算する。

同類の苗グループで

配置の互換性が利くところから、65型プランターを多用している。プランターに草花を普通は3本、大きく育つものは2本、小さいものは4本定植する。やがて開花し始める。花の色が様々となる。当然である。私は採種する際には、花の色は不明である。しかし、一応苗の姿かたち、葉の色形などが同類のものを選んでいる。

植え替えて!

家内から注文が来る「この花とこの花を取り替えて頂戴!揃えたいの」。注文にはできるだけ応じている。しかし中には、ミックスの美しさもいいのではないかと思われ主張するときがあるけど。 再定植はできるだけ大きく土をえぐる。花が咲き始めるころにはかなりの株の大きさに育っていて、毛細根を切り取られるのもストレスだろうから。

⑤定植l 用 土

定植はふかふかの土

(樹皮を粉砕し分解させたバーク堆肥)

根がはびこりやすいように通気性がよいこと。根腐れを起こさないように、排水性がよいこと。 ある程度有機質を含んだ保水性・保肥性のある土で、要するに有機材料では、繊維質の多い土がふかふかしている土と言える。
そこで、第2節で説明した自作堆肥を土に混ぜて用土を作る。 家庭園芸で最も多く使われる“ふかふか”の材料は写真のバーク堆肥でしょう。


古土を再生して使う

基本的には長年使ってきた古い土がある。古い土をよみがえらせて活用する。欠陥を補足して使うのである。私の定植用土は古土対バーク堆肥3割程度としている。
とりあえずは掘り起こし、よく攪拌する。


苦土石灰を混ぜる

肥料とは呼ばれていないが、植物の誠意化に必要な希少要素としてカルシュウム、マグネシュウム等の損失補填のため、苦土石灰をプランターに一握り宛になるように、用土の中に堆肥と共に加えている。


散水のための用土入れ

容器に定植する場合、水やりに都合よく用土を入れる。山盛りでは水は容器外に落ちてしまう。吊り下げ鉢で裏側をフックでぶら下げるタイプは、殆どの場合、容器が前側にお辞儀する。前に傾斜することを見込んで奥の用土を低くしないと用土にバランス良く保水させることが出来ない。


堆肥が大きい場合

昔は堆肥を作る際には花後の株を細かく切っていたが、最近では横着になって、枝は長く、野菜や果物のくずの塊は大きくなってきているので攪拌が困難になるから使えない。古土混入に堆肥の量が不足する。そこで、不足分はバーク堆肥に頼っている。


表面に元肥を置かない

定植では、出来るだけ表面を覆う上層用土には油粕や腐葉土は混ぜないことにしている。。古土に堆肥を混ぜて使用する。犬、猫等の餌に間違えられたり、害虫の卵を産み付けられるからで、その意味では、用土と元肥を区分している。腐葉土入りの花の土が販売されているが、昆虫がそこまで減少したか?

⑤定植l 元 肥

元肥は施す

(油粕)

肥料は3要素、N,K,Pが中心。Ca、Mgも重視されてきている。以前は用土と肥料が別管理していた。肥料は植物の根の付近に施すものしたがって中間から底の方中心に施していた。現在はその区分が薄れてきている。


有機肥料で

肥料は動物性のもの(鶏糞、牛糞、魚粉、骨粉等)を使用するとごん太や猫がほじくるので植物性にしている。油粕と腐葉土を使用する。希少要素追加用に苦土石灰を混ぜている。65号プランターに油粕はスコップに1杯位腐葉土は2杯位入れる。用土の上に撒いて混入させ、その上に苗を置いている。


ぼかし肥もどきの元肥

再生用土、定植図
再生用土と元肥で定植

即効性を狙い目として、肥料を分解酵素で分解し始めた状態で販売している。”ボカシ肥”と言い、油粕、糠、骨粉等を材料にしている。
私は定植の場合プランターの約6割の深さまで用土を入れその上に肥料である腐葉土と油粕を振りかけ、その上に大物堆肥を入れ、それらを軽くかき混ぜる。分解酵素たっぷりの元肥含みの用土に仕上げる。その上に定植苗を置く。


鶏糞も安くて良い肥料

匂いを気にしなければ、鶏糞は上等な肥料である。好んで使用したこともある。最近ではボカシ肥として安価で販売している。プランターの底近くに撒いて使用する。根の発育目的として。動物性の肥料は犬、猫などに掘り返されるので避ける。

堆肥+腐葉土+化学肥料

私の記憶では20年前には、定植時に、用土と肥料を別に準備して混ぜ合わした。園芸店で販売する「花の土」は上記用土で、土に堆肥を混ぜたものだった。その後、便利になって、何も加えなくてもよい「花の土」が販売された。私は最新「花の土」を古土に2~3割加えて更新させ、肥料として苗の周りに油粕を撒いている。

⑤定植l 育 苗

育苗はバランス

定植後、2,3週間は育苗(特別観察)期間である。日当たりが悪いと育ちが悪い。土の湿り気が多すぎると苗が腐ることがある。空気が停滞すると病気になりやすい。葉が上を向き、色つやが良くなってくれば成功である。


散水

定植後のケアはその殆どが水遣りに費やされる。定植後は苗の根と定植用土がなじむように、苗の周辺部だけに散水する。表土が乾けば散水する。度々散水することによってなじみが早い気がする。


日光

定植後、日光がきつそうであれば、半日陰に置いたりする。定植を花壇に行った場合、花壇の位置によって日照は決まっているので、日覆いをする。コンテナの場合は場所移動ができ、日照の調整がある程度できるから便利である。殆どの場合、1週間ぐらい放置すれば順応すると思われる。


寒風除けの覆いをした定植苗
(寒風除けの覆いをした定植苗)

春先は気候の変動が大きい。小春日和の合間に育てると定植後も寒風対応を迫られる。支柱を立てて、透明のビニール袋で覆いをしてやると、 勢いが回復する。花壇の地面に覆いをする方法があるが、未経験である。(注)写真は透明でなく、半透明のビニール。


原生状態を想像

桜草は日向に置いたものより、半日陰のほうがよく育つ。さらに乾かし気味に育てると根は張るが育ちが悪く、反対に湿り過ぎても、根は張っていないのによく育つ。
原生は森の中の木漏れ日が射す、水辺に生えているのではないかと思ったりする。

試行錯誤で植物の原生環境を考え、性質を想像して育てることは楽しい。新しい発見は次のサイクルに向けての課題になる。

寒冷紗の活用

日光の直射を和らげてくれる、寒冷紗を使っている。大型の寒冷紗は180㎝四角1枚、とそれを4枚に切った小型の寒冷紗である。大型はガレージの上に定住させている。風に弱そうなので、3本の針金を渡して、巻き上げられるようにした。小型はどこでも臨時に吊るせるためであり、周囲をビニールテープで縁取りをしている。