"doings70"をテーマにしたことがあった。70才になっても70個(=沢山)することはあるよ”という意味で多少無理があった。
我々の若い頃は世話になった先輩が55才でリタイヤしていった。その後しばらくして、60才になり、65才になった。2021年4月から、長寿命化に伴い、70歳定年制を段階的に実施している。百歳以上の生存者が多い昨今、リタイヤ後の30年程度の生活は考える必要がある。
休日の延長というタイプがある。午前中はゴルフ練習場に行く。健康的なら良い。
殆どの時間、仲間とのダベリというのはいけない。帰宅してシャワー、昼飯にビールを飲んで昼寝をする。夕刻に目覚めて夕飯。夜は寝たり起きたり---では困る。
毎日、地元の市立図書館に通い始めたり、市の観光案内文を読む。自分の住む町の歴史を調べるのだ。文書、図書の中には食い違があるものだ。それを見つけて指摘している。中には自説を展開する人もある。図書館は空調完備で快適である。
陶芸の世界に入った人がある。窯を買い、自分で焼いている。茶碗やぐい飲み、花瓶などを頂戴した。その人の得意は経典陶板で、粘土板に般若心経を彫り込んでいる。所謂、陶板写経である。何十枚も制作しただろうから、得度著しいと思う。(写真は窓越しに見えるハンギングポットのペチュニア。この下には、犬走の上にラックを置いてあり、その上に花が育っているプランターがある。背景は隣家の壁です。)
約20年前、戦後の日本で最も繁栄した頃の企業戦士がリタイヤを迎える。そのギャップショックを避けるため各企業がリタイヤ後の生活設計プラン講習を実施し始めた。立場上準備し始めたところ、倒産したので、講習どころでなくなった。最も危惧したことはリタイヤ後何をするかという自問自答の部分だった。その後 OB会のHPを見ると杞憂だったことが分かった。
私がリタイヤして間もなくの頃、園芸店「国華園」で物色しているとき、不意にはなしかけられた。「最近リタイヤしたんですが、家の前に小さな空き地があるんで、そこに花でも植えようと思って来たんです。この土をばらまいて植えれば宜しいんですね。」よく見ると高く積んだ花の土を指さしている。 その人はほぼ同じ状況にある人と見て話しかけたのだと思い、意を強くしたのを覚えている。
家の周りには花を植える場所がかなりある。家の周りの犬走の上、塀の上、庇にフックでぶら下げる、等々。園芸店で花の苗とプランターと土を購入して植える。
比較的日の当たる場所に置き、水をたっぷりやる。
花苗の枝はぐんぐん伸び花もたくさん咲き立派な姿になる。毎日、花に包まれて生活するようになる。近所の人も称賛してくれる。
この花を苗からではなく、次のシーズンには種から育てて見ようと思い始める。実際、花柄を摘んで掌の中でほごしてみるとバラバラと種がこぼれてくることがあるのだから。
花苗の育て方、採種法、その他詳しくはインターネットを活用すればかなりくわいくしることができる。但し、日本列島は縦に長い。自分の場所の位置との整合性はつける必要がある。
植物の習性として、種を地上にばらまく。プランターを花後そのまま来シーズンまで置いておけば、新芽が出るので移植ゴテで回収できる。花の殆どが半期の繰り返しなのでむつかしい。
親戚の家が農家で。戦中戦後食糧難で預けられたが、納屋の2階には種籾をはじめとして田畑の原材料が保管されているからと入室禁止されていて気になっていたことが思いだされる。花を育ててみると、もう一年同じものをと考えて種を採りたくなった。
種採りの終わった株の再利用は親戚の農家で見ていた。野菜の端くれ、古畳、家畜の糞尿等が畑の隅に山積みされ冬でも湯気が立っていた。
ある時、雨水の会所を見たところ、底に大きな穴が開いていた。つまり地中浸透をさせていた。つまり川や海に戻してなかった。それじゃあもうひと働きしてもらおうと思った。
戦中戦後は、両親が農家の出であったところから、あちこちたらい回しされた。従弟たちと田畑で遊び、従弟の仕事を少しは手伝った。都会の子供は知らないノウハウも体験した。 牛小屋の管理は子供たちの担当で、糞尿含みの敷き藁を交換していた。捨てる場所が堆肥製造場所であった。
回所の蓋を壊したので購入に出かけた際に回所の構造を見た。底のほとんど全体を占める円形に厚みが薄くなっており、簡単に破れるように出来ていた。雨水の地中浸透をしやすい構造になっていた。
リサイクル栽培へのスタートは「採種」である。
昔から農法はリサイクル栽培であった。穀物は全部食べずに、
次の年の種用として貯蔵しておいた。実生サイクル栽培である。
草花は簡単に苗が手に入るところから苗から育てる人が多い。そして花の盛りを過ぎると苗を引き抜いて生ごみに出してしまう。しかるに、花後かなりの期間経過後の「採種」などあまりしないから、リサイクル化はほとんどない。そこで、リサイクル栽培のプロセスの決め手は「①採種」にある。
種リサイクルについては①採種から⑥育苗まで6段階のプロセスとしてまとめました。
種リサイクルプロセスの概要は以下になります。
①採種:花後の苗を熟させて次シーズン用の種を採る。
②堆肥化:採種の花株を古土改良剤として堆肥にする。
③播種:種に適した時期に巻くこと。
④移植:発芽した新芽をポットに小分けする。
⑤定植:プランターや花壇など予定の場所に植える。
⑥育苗:病虫害、風水害、その他障害を排除して生育させる。
諸調整:自然が相手。変化に応じて対応する。
(写真の2種は左:キンセンカ 右:パンジー、比較倍率無視です。)
園芸を始めると気付くことがある。次のシーズンは何を咲かせるかを決めなければならない。そのスタートは種か、苗かということを決め用立てることである。 1,2回の繰り返しで毎年の設定が決まる。予算があれば園芸店で苗を買う。金がないか、育てるのが好きの場合は種から育てる。種を買うのがバカらしいと前期の終わりに種を回収しておく。従って、循環園芸はスタートが採種となる。循環園芸はここにまとめました。
ペチュニアの花は赤い。赤色でも種類が多く、好みの色の種を多く採る。翌年育てて見て、真っ白の花でガッカリすることがある。桜草もみな同じ色で屁はなくピンク系でも濃さが異なる。好みの色の桜草の種を取っても、翌年の花びらが曼荼羅になっていることがある。これらは交配のなせる業で、しかたがない。種専門店に頼るしかない。5,6年のサイクルで更新した方が良いと思う。
家の周りにプランターを並べて花盛りにしたときは嬉しかった。炭酸同化作用で少しは地球環境に貢献もしていると思った。しかし間違いで、花後の株を生ゴミとして出せば焼かれてイーブンになるという。それで決心した。花後の株は堆肥にすると。
45リットルのゴミペールをもらい受け、コンポスト容器とした。最初は分解酵素(EM剤)が必要とのことで、園芸店で買って、古株の上に振りかけた。
花後の苗を生ごみとして捨ててしまわずに、細かく切って堆肥製造容器の中に混ぜ込んで分解させ堆肥にする。堆肥は古土に混ぜられて用土再生される。
再び茎や葉になり花を咲かせようというのだ。
ミカン・筍・西瓜の皮等、野菜や果物が素材として広がってきた。数本低木を植えているが、年1回若葉を剪定する。若葉は柔らかく分解されやすいので、太い枝以外の殆どを堆肥素材として活用している。堆肥づくりはここを参照ください
庭にゴミペールを置いたとたん、反対の嵐だった。まとめると、臭いにおいで隣家から文句を言われる。虫が湧いて衛生に悪い。の2つに集約された。腐敗臭でなく、乳酸菌飲料のような甘い香りだったこと、コバエが発生した際には殺虫剤の噴霧でふたを閉じてけりを付け、現在一定の評価を得ている。
生ゴミを堆肥化するための補助剤としてEM剤を使用する。EMとはeffective microbes(有効微生物群)らしく、約80種類に及ぶ酵素、細菌類を含んでいるという。甘酸っぱい匂いがするため、乳酸菌も含まれているのかなと思う。
当初、あらゆる堆肥素材は3センチ位に裁断していた。従って古土の中に漉き込むのは簡単だった。最近ではルーズになって、裁断を省いてしまう。結果大きくなって、古土に混入できないで、プランターの底に入れ、その上に油粕を振りかけている。即ち元肥の様に使っている。次のシーズンにはボロボロになって、古土と一体化できる。
1シーズン花を咲かせた土は疲れている。古い土は捨てて新しい土を買ってくることは性分に合わない。大概の土は固く締まっており、肥料切れをしている。先ず、土を繰り返し切るように混ぜる。フワフワの土にするため、改良用土として堆肥を追加して更にかき混ぜる。自家製堆肥のタイミングが合わない場合は市販の木の皮で作ったバーク堆肥を使用している。希少元素の補充とPH維持のため苦土石灰を加えている。ここまでが再生用土造り。(写真は再生古土。中をかき回して堆肥を取り出した。)
花苗を植える際に用土に肥料を加えて培養土にする。
肥料として油粕、腐葉土を使用している。なお、花期後半に花が小さくなるなど、肥料切れの様子であれば、追肥として化学肥料を施している。
最近、「花と野菜の有機培養土」として販売しているのは土とバーク堆肥を混合した「用土」に化成肥料、腐葉土などを混入させている。土の改良剤が販売されている。「バーク入り腐葉土」でこれを3分の1混ぜればよいという。便利になっている。
私は古土をブルーシートに広げて日光消毒をしたことがあった。病気や害虫に痛めたことがないので止めた。古いフライパンで古土を焼いたこともあった。悪臭がするからと家内のドクターストップで終わった。自家製堆肥が不足した場合は購入したバーク堆肥を使用する。つまり堆肥追加法を行ってきた。
季節の変わり目等は大量に堆肥材料が出来、堆肥容器が新鮮な材料で満杯になった場合、余った花株を直接プランターの底へ詰めることがある。 分解反応熱で花苗の生育上タブー視されているが、その影響はまだ出ていない。分量が少ないからかもしれない。
プランターに植えた花への散水は1日1回では済まないこともある。我々の花畑から蒸発した水分は雨となって戻ってくる。屋根から樋を伝って地下に流れてゆく。もったいないので3か所の樋から計200Lの雨水を貯めている。
雨水で5日から1週間持つ。雨水で間に合わない場合は風呂水を使う。ふろの残り湯をポンプアップしてポリ容器に供給する。風呂水のポンプアップは年間に数回ある。
どうしても、南側貯水場の水が先にハングアップする。北側貯水場から南側に風呂水用のポンプで補給する。
雨水のポリタンクリサイクル、風呂水のリサイクル、それでも間に合わない場合は水道水と言いたいところであるが、寄る年波に勝てず、水道のシャワーでジャーとやってしまえば早くて疲れない。安易に流れまいと思うが、
当節、”リサイクル”と言ってしまえば、なんでもカッコ良い、と思って使用する言葉だが、リユースとかリメイクだとか、厳密には使い分けがあるとのことで、ご指摘を受けました。申し訳ありません。居座りです。