70からの循環園芸(Senior circular gardening )

培養土づくり

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古土を繰り返し使おう

ポット土

用土を花の終わりとともにゴミとして捨ててしまうのは純粋さがあって気持ちよい。
特にその花苗専用の培養土を使った場合はなおさらだろう。しかし用土だってそれほど安くはない。
古土の欠点を補い、出来るだけ何度も繰り返し使用したい。
(写真は古土に改良材料としてバーミキュライトを混合したもの)


用土の働き

用土は苗の根をしっかり張らせることによって、苗の姿を立たせる役を担っている。
ヒヤシンス等の球根やサラダ菜等葉物野菜の水栽培はよく知られている。土でないと育たないとは言えない。

土は根が成長し、ひいては葉や茎、花まで大きく育つ基になる。


用土の性質

通気性があることと排水性があることという性質が必要。つまり土の粒子があまり細かくないこと。同時に保水性も必要です。排水性と矛盾するようですが、例えば砂利は石ですから排水性は良いのですが、湿気は吸わないので保水性は不足します。

分解要素(微生物)を多く含んだ有機性素材が用土中に多くあることも必要。


草花と肥料

草花の栽培に必要な用土を使い、さらに肥料を施す。最近は必要な用土に加え、肥料まで混入した「○〇の土」という専用培養土が発売されている。

また、他方園芸農園管理会社では肥料をあまり施さない。用土が肥料で痛み、病害虫や嫌地が出来るリスクを嫌う。

用土づくりの初体験

戦後、私の幼少期、父は兼業農家の友人から畑を借りていて一家5人の食料を工面するため野菜作りに精を出した。その友人からリヤカーと樽と柄杓を借りてきて自家の糞尿を汲んで畑に施した。私はいつも後ろから押すのが仕事だった。道は舗装がなくて揺れ、肥樽の近くで臭かったのを覚えている。時々、父が施肥を休憩したすきに少し汲んで畝の中の溝にまいたことがあった。

用土づくりの発展

約十年前あるDIY店の店先で質問を受けた。「私はリタイヤしたのであるが自分の家の前に少し空き地があるので花壇にしたい。この土を使えば良いですね」と言ってきれいなビニール袋を指さした。私はそれに応えた「はい、それは用土ですから、植える苗用の”肥料”も要りますよ」と。

すると、その人は「ここに肥料入りだと書いてありますよ」との返事だった。私はびっくりして袋の文字を追った。肥料入りだった。

それまで店頭に置いてあったのは用土であったのが、肥料まで含んだ培養土になっていた。認識不足を痛感したのだった。


培養土 基本用土

基本用土は粗造りで

(一から用土を作るときは真砂土を使用)

基本用土は、山土や砂漠や岩盤等で、そのものに有機物や肥料を含まない。用土の基本は通気性と排水性だから、きめの粗い土が適している。
私はコンテナ栽培が中心なので、ベースとなる用土は試行錯誤した。砂、真砂土、日向土、軽石、桐生砂 と色々使ってみた。それらに改良用土としてバーク堆肥を加えて用土にした。それは最近ガーデニングストアでよく見かける「プランターの土」又は「花の土」という名称で入手できる用土に似ていると思う。


菊作りは赤玉土、鹿沼土

数年間、20鉢程菊を育てたときがあった。そのときに赤玉土と鹿沼土を使用した。その古土を使用して難しいことになった。この土はリサイクルにはあまり向かない。微細粉になってしまい。目詰まりを起こすのである。


コンテナは特に粗い基本用土で

コンテナの場合水遣りとの関係で用土の適度の湿度維持が難しい。過湿を生みついには根腐れを引き起こす。3ミリ位の用土を多用してよいと思う。

コンテナガーデナーの道

コンテナガーデナーの助手であり親方にもなる家内は30位あるプランターを自由に操り、今日ここにあったのが明日にはどこに陳列するか分からない。花が盛りを過ぎると直ぐに裏手に回される。私はこの過酷な交代劇の裏方として、一応努めている。

コンテナ用土を軽く

家内が4,5年前からプランターが重いから軽くするようにと要請を受けている。私も同感である。
基本用土として軽石を使いたいのである。昔、1袋購入したこともある。しかし高価なのでそれ以来手をつけていないが、そろそろ本格的に軽い培養土づくりに取り掛かろうかと思っている。


培養土 改良用土

改良用土は堆肥が良い

(完熟苗堆肥)

改良用土は山土、砂など天然にある基本用土に対して主に保水性、保肥性、有機性を付加して植物の生育に適すように改良する。基本用土にブレンドする改良用土の代表は堆肥である。私は自作の花後苗の堆肥や庭木の剪定小枝の堆肥を優先使用する。


堆肥は無数にある

子供の頃,登校の途中の田畑の隅に、収穫後の作物や動物の糞、草、古い畳まで、様々なものが山の様に積まれていて冬はそこから水蒸気が昇っていた。分解反応熱によるものだった。園芸用として最も親しまれているのは、森林資源からの廃棄物で作ったバーク堆肥である。私は40L入りのバークを購入している。


植栽との相性

植栽はその原生が育っていた地面の特性に近いものが要求されるだろう。 基本用土には酸性もあればアルカリ性も中性もある。改良用土も同様である。 この基本用土にこの改良用土を加えるとどの様になるか考えて相性を判断しなければならない。

微粉末化する改良用土

基本用土の欠陥である保肥性や保水性をピートモス、バーミキュライト、くん炭など改良用土がその性質を活用して埋めるのであるが、長期的には微粉末になり用土を改悪しかねない。保水性過多を心配する。
私が多用する堆肥が然りである。つまりはすべて土に還るのであるが、その耐用性が問われる。

剪定小枝の腐葉土

コンテナ栽培という角度から見ると、古土リサイクルの難しさがそこにある。出来れば、改良用土はアオキ、ツツジ等、低木の剪定小枝の堆肥の割合を多くして用土を粗くしている。


培養土 肥料

肥料は元肥と追肥

油粕

培養土=基本用土+改良用土+肥料である。このような古典的な事柄は通用しなくなりつつあるが、ここでは重要な肥料について述べたい。大雑把に言えば2種類ある。腐葉土や油粕等有機肥料と硫安や総合化成肥料等無機肥料である。、施し方は定植時に用土に元肥(元肥)として混ぜる。もう一つは成長の途中で肥料切れの対策として使用する肥料(追肥)である。追肥は即効性でN、P、K3要素のバランスが取れた配合の化成肥料を使用する。

但し、肥料過多によって葉っぱや茎ばかりが育ち、花が咲かないことがあることを忘れてはならない。また、花の径が少し小さくなったと感じたときは肥料不足である。追肥のタイミングである。

元肥は油粕と腐葉土

私の培養土づくりでは、油粕が中心である。65型プランターに入れた用土の上にスコップ1杯を入れて軽くかき混ぜる。同時に腐葉土も一握り加えて一緒にかき混ぜることが多い。有機肥料で、分解が進めば肥料となって栽培に寄与してくれると思う。

追肥用化成肥料

窒素、リン酸、カリウムの3要素をバランスよく含んだ白い球の無機化学肥料は時々必要になる。ペチュニアは何度も枝を切り込んで長く鑑賞するが、切り込んだ際にはご褒美として追肥をする。プランターの2年草は途中で息切れするので追肥する。発達の遅れた株には個別に追肥することがある。用途は化成肥料の即効性期待である。


近くの山の腐葉土

庭が宅地造成の山土のままだったころ、何かを植えるにしても土地改良が必要だと思った。
腐葉土は買う必要がない。ゴミ袋を持って近くの山に入るとそこは腐葉土だらけだった。家に持って帰りあちこちに埋め込んで耕した。その年のホウレン草の栽培は蒔いた種を鳩に食われ失敗した。
翌年、サツマイモの苗を植えた。収穫期が来たので掘ってみた。どの芋も満足な姿でなかった。腐葉土にいたに違いない幼虫に食われて穴だらけだった。

有機にこだわらない

野菜作りでなく花作りなので有機(Organic)にはこだわってない。化成肥料は進化し、8型から14型になってきた、古土再生園芸の決め手に使用する。
遅れた定植に肥料として油粕を施したが、油粕が腐って効果を発揮するには日が掛かる、そんな時には苗の周り2.3か所にに少し化成肥料を浅く埋め込んでやる。


培養土 古土

古土は弱点を多く持つ

(古土)

草花の苗を定植して約半年から1年近く栽培し続け花期が終了する。新しい用土でスタートしても月日を重ねた用土は多くの弱点を持つ古土になっている。
最近まで咲き誇っていたことが印象に残っているが、用土は目には見えないが疲れて古くなってきている。


古土の養分が少なくなっている

植物を成長させた用土は当初の用土からは当然痩せてきている。 NKPという3大要素は全般的に少なくなっているが、それらのバランスが崩れていたりする。その他の希少要素はなくなっている場合がある。

古土に雑菌類が増えている

元気に苗が育った後の用土にはその植物に好適な良菌類が繁殖しているだろう。しかし、次に植える植物にも適しているとは言えない。例えば、根腐れの後の用土には病気の元になった雑菌類が増加していると見てよい。


古土が硬く詰まっていたりする

水や空気を度々通しているうちに用土を構成している粒が擦り切れたり、崩れたりして小さくなっている。  隙間が少なくなっている。


古土に害虫の卵等が含まれている

同じ植物に同じ害虫が出てくるというのは、その害虫の子孫が繁栄する元になる卵やさなぎ等を用土に受け継いでいる場合が多い。


実績がある

古土も良いところ・強味がある。積年の実績の積み重ねが古土として目の前にある。最前までバランスが出来ていたこと。 それを崩さないように疲れた部分を補給してやる。子供を育てるような気持ちが要る。

細粉になって根腐れ

毎年菊花展が近くの国華園で盛大に行われる。 昔、大輪菊に魅せられて数年間頑張ったことがあった。 そのときの用土として赤玉土や腐葉土を大量に使った。 それを花壇やプランターに使用している。とっくに老化して、赤玉土の姿はない。 その古土は細粉として残っている。用土に細粉が詰まると水が滞留して空気も通らない。 根の健康を害してしまうかもしれない。

桜草に青虫、ビオラに毛虫

9月中旬にはビオラの葉に穴が開く葉裏に黒い毛虫が取り付いている。早速駆除に取り掛かる。 それから1週間ぐらい遅れて桜草の葉に穴が開く葉の裏には青虫が取り付いている。手で取って踏み潰している。 毎年、決まって出てくるということは完璧に駆除出来ていないということである。古土にその性質を宿しているということである。


培養土 古土リサイクル

改良用土でリサイクル

新しく用土を買うよりは使い慣れた古土をリサイクルさせて使用したい。 古土はそれなりに劣化しているから、先ず浄化してやり、しかる後改良用土で欠陥部分を補う必要がある。


古土を日干し消毒

団地内を散歩していると用土をブルーシートに広げて日光消毒している風景に出くわすことがある。きっちり管理しているお宅だなあと感心する。
かなり効果があるのはこのようにプランターの用土をブルーシートに開けて日光浴をすることである。紫外線と乾燥で雑菌類や害虫の卵はほとんど死滅すると思われる。


古土の微粉末を廃棄

保水性過度で根腐れの原因になる微粉末をある程度捨てる。 細かいフルイがないので小の目のふるいに掛けてエイヤという気持ちで捨てる。 どの程度を捨てるかは決めていない。


新改良用土の追加配合

古土の様子を見て性質を想像して、それを改良できる用土を追加するのである。 必然的に、砂など目の粗い基本用土を追加してもよいが、殆どの場合排水性の良いバーク堆肥+腐葉土などを追加することになる。私は廉価な「花の土」を混合することもある。

花が咲いて中盤以降に葉が白くなることがある。うどん粉病、白カビ病かとも思われるが、カリ肥料不足でも起きるとのことなので、次回には草木灰を施したい。


希少要素の補充

苗の成長が遅い場合や葉の色目が悪い場合は古土が疲れてCaやMg等の希少要素不足による場合が多い。「苦土石灰」を追加する必要がある。移植や定植の際に一握りづつ混ぜる癖を付けよう。


焼いて古土再生

かなり以前のこと、古土を焼いて再生させようとしたことがあった。 卓上ガスコンロを外に置きガスホースで繋いだ。古いフライパンに古土を入れてかき回しながら焼いた。 時間がかかって、やっと本格的に土が焼けてくると変な匂いが立ち込めてきた。 ちょうど、爪や毛が焼けるときのあの、動物が焼ける様ななんともいえないくさい匂いであった。それでも数時間やってみた。やはり灰という粉末が副産物が出来た。
家内から臭いねえと言われて、焼畑農業見たいなものやと答えた。家内は半分うなずいて窓から消えた。その約30分後に、隣近所にくさい匂いが充満するからと家内からドクターストップがかかり、頓挫した。

古土再生材

私は最近まで、古土に対して3分の1位再生材を加えていた。その再生材は腐葉土2堆肥5の割合だった。私と同じように3割追加の古土再生材が売られていた。これは便利だった。しかし、販売場所が遠かったので買いに行け図、近くで販売している培養土を選んで買い、3分の1配合の再生用土に仕立てている。